てきとうとは適切でしかも当たっているから、良いことなのかひねくれてるのか。
図書室から出たアジア人女性は、青い心地よさそうな生地を着て目の前を歩いた。手を振っている。車が目の前を通り過ぎる。道路の向こう側には男性が片手には犬がつながったリードを、もう片方に子供を抱えて、微笑みながら立っている。赤信号が、青に変わるまであと何秒。青いワンピースを着た女性は、膨らんだおなかを支えながら、まだ手を振っている。
青い帽子をかぶったあおいTシャツ男が夕陽を見る。少し離れた女性は一眼レフを持ち上げ、もう一人の青い帽子をかぶった人は別のほうに顔を向ける。電車が目の前を通り過ぎ、髪の毛がさっともちあがりシャンプーのにおい
雑誌から飛び出したような女性が艶やかな黒髪を揺らし、階段を登る。すっとした鼻筋で、周囲の視線を気にもせず、颯爽と地面を鳴らしながら長い足を伸ばす。また、別のカモシカのようなモデルの人が前をカツカツと通り過ぎる。人込みの中にモデルがたくさん。
心が動かされる
英語でも日本語でも心は動く。
言語を隔てて心は動くらしい。
ほらブライアントパークは別に静かなわけじゃないんだよ。周囲と比較すると、静かなだけであって、よく考えるとすぐそこに車はたくさん走っている。騒々しいし、ビルの光だってあんなにいっぱいついている。でも不思議とここの空間だけ切り抜かれている気がするよね。タイムズスクエアのすぐそこでさ、落ち着いているんだけど、エネルギーで溢れている。
丸い光が夜に貼り付けられている。
次の13日の金曜日で満月になるのは2049年。それまでいきているかなと黒人キャスターは笑う。自転車を橋の上でとめた青年は、写真に収めようと鞄のなかを探す。
青いワンピースの女性は手を振るのをやめ、スマホを取り出す。犬と子を連れた男性は反対側でまだ立っている。まだ微笑んでいる。
彼女はそのままカメラを向けて、その二人と一匹を撮ろうと構えた。
撮ろうとしているものの大きさ想うと、心が動かされた。